ほら、笑って笑って
次第に渋滞は緩和されたみたいで、少しずつ車のスピードが上がっていく。
そして当然だけど、隼人さんは前を向いて運転している。
だけど、その横顔は困惑していた。
「……似てるから?」
長い沈黙が堪えられなくて、自分から投げ掛けた。
「優花さんと、私…似てるから?」
自分で見た感じでは、そんなに似てるとは思わない。
でも、隼人さんが優花さんの事を好きだったなら、私は。
亡くなった優花さんの代わり?
膝の上でこぶしをギュッと握り、込み上げてくる感情を必死で抑えた。
「そうやって優衣に誤解して欲しくなかったから、話さないつもりでいたんだ。」
「……」
「確かに似てるかもしれない。けど、俺から見れば優花と優衣は全然違う。
――…いや、悪かった。順を追ってちゃんと説明する。聞いてくれる?」
「…はい。」
それは隼人さんと優花さんの話。
私がまだ小学生の頃の二人の事。