ほら、笑って笑って
隼人さんの横顔は真剣で、見ているだけで苦しくなる。
「優花は、がんと闘っていた。でも、回復の兆しは全く無くて…。
ある日、いつもの様に優花の携帯から着信があった。でも俺は撮影中でその事に気づかなかったんだ。
撮影が終わって、優花からのメッセージを聞いた。」
『…隼人、私ね、毎日毎日、苦しくて、痛くて――…もう、我慢の限界みたい。私の事、愛してくれて、ありがとう。』
留守録に残されたメッセージを聞いて、慌てて病院に駆けつけたけど。
優花さんは自ら命を絶った後だった。
「あの時、電話に出ていたら……優花は自殺なんてしなかったかもしれない。」
その横顔は真っ直ぐに前を見たまま無表情なのに、話す隼人さん声はどんどん沈んで暗くなっていく。