ほら、笑って笑って
「……隼人さん…あの…」
言いたいけど口ごもる。
"優花さんの前で、寄り添って歩くなんて罰当たりな気がする。"
けど、罰当たり?後ろめたい?
何だか上手い言葉が見つからなくて、じっと隼人さんを見つめて訴える。
すると隼人さんは、ふっと息を吐いて微笑んだ。
「優花の前でピッタリくっついて歩くなって事?気にしてくれてるの?」
「…――うん。」
「…ありがとう。でも、優衣が気を使う事なんてないよ?」
「どうして?」
せめて今、墓前だけでも、この肩を離した方がいいと思うのに。
「優花に紹介するって決めたから。
俺はこの先の人生、優衣と生きていきたいから。って。
だから俺は、優衣の手を離さない。」