ほら、笑って笑って
簡素な壁の向こうから、お客様のため息の様な感嘆の声が聞こえてくる。
「素敵ね」
「綺麗ね」
「吸い込まれそうだ」
沢山の隼人さんの写真への誉め言葉に、私も嬉しくなる。
そして、ちょっぴり恥ずかしい。
「このモデルさんは――」
「あら、こっちにも同じモデルさん。何処の誰かしらね?」
「――可愛いね。」
私の事だよね。
やっぱり、かなり照れるなぁ。
私、受付に立っても大丈夫なのかな?
一人下らない心配を始めた時、その受付から聞き慣れた声がした。