ほら、笑って笑って
ちらりと隼人さんに目を向けると、囲み取材は終わったらしく。
報道陣はそれぞれ会場内の写真の前で取材を続けていた。
…良かった。
あれなら、万が一お母さん達が話しかけても邪魔にはならない、かも。
隼人さんの側にはお世話になってる出版社の方がいて、まだ二人は話をしている。
ここからだと会話の内容まで分からないけど。
なんて考えていた時、
「高原さん。」
仕事モードの隼人さんに呼ばれ、胸がドキリと音をたてる。
「は、はい。」
ドキドキを隠す様に平静を装いながら、隼人さんの側に駆け寄る。