ほら、笑って笑って
「どうも。」
そう微笑み、出版社の方は笑顔で会釈した。
いつもお世話になってるこの方は、旅行誌の編集長さん。
以前は若い女性向けファッション誌を担当していて、その頃から隼人さんとは仕事をしているらしい。
以前はスタジオでモデルさんを撮影していたけど、今は四季折々の写真を頼まれる隼人さん。
なるほど、納得。
「可愛いモデルさん。なるべく、あっちの報道陣の側には行かない方がいい。」
彼は笑顔のまま小さな声でそう言った。
「あ…はい。」
「大丈夫です。編集長に紹介する為に呼んだだけですから。」
隼人さんは私の隣に立ち、柔らかい笑顔で私と編集長さんを交互に見た。
今は仕事中…
分かっているけど、隼人さんの瞳に見つめられると心拍数が上がってしまう。