ほら、笑って笑って
この日はコンビニでお弁当を買って家に帰った。
「隼人さん、大丈夫かしら。」
お母さんは時々、思い出した様にそんな事を呟いて。
私だって気になるけど。
取材陣も沢山いたし。
そしてその夜、ニュースで"二宮隼人個展開催"と紹介されていた。
さらっと流されたそのニュースでは、私の写真やお母さんが倒れた事には一切触れず。
ほっと胸を撫で下ろした。
"姉妹?それとも従姉?"
どういう訳か、編集長さんの言葉が耳から離れない。
「そんなに似てるかな?」
頭に浮かぶのは、シーツで肌を隠した色っぽい優花さん。
私とは似ても似つかない、そんな女性。