ほら、笑って笑って





「……なに?どういう事?」


今聞いた言葉を、頭が理解出来ない。



「優衣、落ち着きなさい。」



お父さんになだめられても、落ち着ける分けがない。




「お母さん、おかしいよ?だって、優花さんは隼人さんの同級生なんだよ?私より一回りは年上だよ?……じゃあ、一体、お母さんが幾つの時に優花さんを産んだっていうのよ?」




私の言葉を聞いて、お母さんはひどく悲しげな表情を浮かべ俯いてしまった。





「お母さん!!」



だけど私だって、黙っている訳にはいかなくて。

つい声を荒げてしまう。





頭には、昨日聞いた台詞がぐるぐると浮かぶ。




"姉妹か?従妹か?"





そんな事あり得ないと思っていたから。

あまり気にもならなかった。




だけど、だけど…。





「…優衣、落ち着きなさい。」



お父さんは、同じ言葉を繰り返す。



「落ち着けない!だって、お父さんだって、おかしいと思うでしょ?!」



おかしいと思ってよ。

一体幾つの時に産んだのよ。

あまりにも若すぎじゃない。






だけど次の瞬間、





「………16の時よ。」





お母さんの口から落ちた言葉は、私の思考回路を停止させ、目の前を真っ暗にした。


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