ほら、笑って笑って
「……それから私も、留年して高校を卒業して社会に出れるまでになって、お父さんと出会って。
普通の、でも、とても幸せな生活を手に入れた。
もちろん、結婚した事も優衣が生まれた事も、小峠さんには報告していた。
…だからきっと、心配かけたく無かったのね。
優花が病に侵されている事、私は知らなかった。
隼人さんと結婚した事も、全部後から聞いたの。」
ぽつりぽつりと言葉を落とすお母さんは酷く疲れた顔をしていて。
それまで黙って聞いていたお父さんが腰を上げた。
「ーーお母さん、もういい。優衣もいいな?……少し休もう。」
お母さんは黙ったままだったけど、お父さんに促されてベッドに入った。