ほら、笑って笑って
涙を堪えて、笑顔を見せる。
「ーー隼人さん、会いたかった。」
そう囁いて、隼人さんの首に腕を絡ませる。
「ーー優衣。」
耳元から甘い声が注がれる。
それから、包み込む様に私を抱き締めてくれる。
隼人さん、好き、大好き。
誤魔化して、ごめんね。
作り笑顔がバレない様に抱きついて、ごめんね。
「会いに来てくれて、嬉しいよ。」
隼人さんはそれ以上何も聞かず、私に温もりを与えてくれた。
でもね、その暖かい腕に包まれていると、堪えた涙が流れてしまいそうになる。