ほら、笑って笑って





ここに来るのは2回目。




山の上にある霊園。



涼しい風が頬を撫でては通り過ぎる。





花屋で買ったカサブランカを手に、


優花さんの墓前に立つ。






私は何がしたかったのかな?


ここに来たって、何も解決しないのに。



優花さんは、何も答えてくれないのに。




綺麗に手入れされたその場所に、花を飾る。




「きっとあなたには似合うと思う。」



凛とした輝きを纏って、優雅に咲くカサブランカ。


その花に、写真で見た優花さんを重ね合わせていた。


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