ほら、笑って笑って
帰りの電車の中、最後に聞いた小峠さんの言葉が頭をよぎる。
「優衣ちゃんは、大切な人を失わない様にしっかり守ってね。」
大切な人。
小峠さんにとっては、優花さん。
私にとっては、隼人さん?
それとも、お母さん?
ううん、どちらも大切で、選べない。
両方を守る事なんて、出来るのかな?
隼人さんに私と優花さんが姉妹だったと伝えなければ……。
言わなければ、このままでいられる?
隠し通せばいいの?
結局、答えなんて出ないまま。
悩んでも考えても、どうしたらいいかなんてわからなかった。