ほら、笑って笑って
隼人さんの個展が終わり、
今私は催事場の片付けをしている。
あの日、隼人さんは
「辛い過去を話して頂きありがとうございます」
とお母さんにお辞儀をして、
「…少し、頭を整理します…」
そう無表情で告げ帰って行った。
私は変わらず、隼人さんの仕事の手伝いをしていた。
当たり前のように隼人さんの事務所にも行き、今までと変わらない毎日を過ごしていた。
一つだけ違うのは、
隼人さんと私の間に流れる空気。
恋人とは違う、ぎこちない空気。