ほら、笑って笑って

真っ直ぐ家に帰るのは気が重い

ここ数日ルーティンになっている
駅ビルへと、自然に足が向かう


解決策が見つかるまでと言われてから

ーー2週間が経った

お母さんを傷つけずに隼人さんと一緒にいられる方法

見つかるのかな?


私の写真なんて、個展に出さずにいれば
注目される様な事はなかったのかな?とか
後から考えても仕方ない
今更何の解決策にもならない事しか浮かばない


私の暗い気持ちとは裏腹に
街は秋の訪れを楽しみにしている

少し濃いめの赤やブラウンのアイシャドウ
そろそろ履きたくなるブーツや
軽めのニットが目につく場所に飾られる

旅行のシーズン
紅葉スポット

そんな文字が目に入る


秋には、隼人さんは何処でどんな写真を撮るのかな?
紅葉の季節、何処に行くのかな?

一緒に見たい
隼人さんと同じ景色を見て感動したい
それから、後で隼人さんの写真を見て、
やっぱりこの人は天才だと
私の目で見た景色と同じ景色とは思えない
隼人さんのファインダーを通した景色を見て
私は間違いなく感動するの


そんな他愛のない日常を過ごしたい
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