ほら、笑って笑って

「お母さん⁉︎大丈夫?」

慌てて駆け寄り、体を起こそうと手を伸ばすけど、お母さんの顔は真っ青だった

「…大丈夫よ、大丈夫」

お母さんはか細い声で答えるけど、
そんな声で言われても全く信用できない

「どこかぶつけたり打ったりしてない?」

話しかけながらリビングのソファからクッションを3個つかみ、とりあえずお母さんの体の下に入れた
倒れた椅子を直し、そのまま横になれるスペースを作る

「顔が真っ青だから、今すぐ動かない方がいいと思うの。でも、さすがに私1人でベッドとかソファまで運んであげられないから、とりあえずここで横になって様子みよ?」

「ごめんね、優衣。…ありがとう」

そう呟き、お母さんは目を閉じた

「隼人さんに連絡して、ちょっと遅刻させてもらうから大丈夫だよ?」

説明しながら隼人さんにメッセージを送信する
すぐに既読がついて返信をくれた
"今日は休んでいいよ。お母さん受診した方がいいと思うから、一緒に行ってあげて"

隼人さんらしい優しい気遣い

"ありがとう。私も母が心配なので、お言葉に甘えます"
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