ほら、笑って笑って
「ええ…」
お母さんは私と目を合わせず俯いたまま答える
「ちょっと待って下さい!母は何か大きな病気なんでしょうか?伝えないなんて、それは困ります!」
「…優衣。ごめんね」
「高原さん?今後の治療方針についてもお話しする必要があります。ご家族にはお伝えした方が宜しいと思いますが」
看護師さんはお母さんの肩に手を置き優しく撫でる
少しの沈黙の後
「分かりました」
とお母さんは看護師さんに返事をして
「お母さんねーーがんが見つかったの」
私の目を見て悲しそうな顔で呟いた