ほら、笑って笑って

お母さんの表情は悲しみで溢れていた


「お父さん、ごめんね」

「お母さんが謝る事なんてないだろう?きっとまだ治療方法だってあるはずだし、先生と話をしてみてダメなら別の病院をあたってみよう」

「…お父さん」


お父さんの気持ちも痛い程よく分かる

大切な人が目の前からいなくなってしまう恐怖
現実を受け入れたくない気持ちで一杯


私も同じだよ


諦めたらダメな気がして何とかなるのではともがきたくなる

お母さんを失いたくない


ただその想いしかなかった
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