ほら、笑って笑って
だからきっと、彼は不倫なんて今までした事がないはずだって、勝手に思い込んでいた。
私は彼にとって特別なんだって。
ベッドの中で沢山くれる愛の言葉も、
社内で交わす秘密のメールも、
私だけのもの。
今までの彼氏からは貰った事がない、ロレックスの時計やクロエのバッグだって、私を愛してくれてるから。
そんな風に信じて疑わなかった。
ただ、社長である奥様には逆らえなくて、離婚は出来ない。
そんな言い訳すら、仕方がないと納得していたのに。