ほら、笑って笑って
その後、常務からの連絡は無かった。
結局そんなもの。
愛してるなんて嘘。
きっと、私との関係を切る事が出来て、内心ほっとしているかもしれない。
そんな事ばかり考えて、一週間が過ぎた頃。
「ねぇ優衣、知ってる?」
「何を?」
「川野先輩、辞めるらしいよ。」
「え?なんで?」
「…さぁ?突然の事でよく分からないらしいの。
仕事の引き継ぎなんかも出来ない位、急な事らしくて。
実家で不幸でもあって帰る事になったのかとか、色々噂は出てるけど。」
……川野先輩。
なんだか嫌な予感がした。
だって川野先輩は、社内新聞を見て青ざめていたから。