ほら、笑って笑って

「――あ……ありがとうございます。」



隼人さんと仲がよさそうなマスター。

だから、社長とも仲がいいんだと想定していた。


そんなマスターに、単純に優しくして貰えたのが嬉しかった。



大き目のカフェオレボウルを両手で包むと、じんわり温かさが伝わって来る。


ゆっくり持ち上げて一口飲む。


ミルクたっぷりの甘くて優しい味が口の中に広がる。



「――美味しいです。」



素直な感想を伝えると、マスターはにっこり微笑む。





ほんの少し緊張が解けた時




カラン カラン



入り口のドアの開いた音がした――。


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