ほら、笑って笑って

「……」

「……」


少しの沈黙の後、社長ははぁぁとため息をついた。



「ねぇ、高原さん?私始めに言ったわよね?嫌味を言いに来たって。」


「……」


「今さら誰かを咎めるつもりなんて無いの。今は、別れて良かったと思ってるし。」


「……」




ゆっくり顔を上げて社長を見る。


するとまた、くすりと笑ってから言葉を続けた。


「かわいいのよ、うちの子。本当に子役デビュー出来る位。それに、会社も順調に売上を伸ばして成長してて――…正直、今の私には子供と会社だけで十分。旦那様は必要ないみたい。」




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