センチメンタル自販機
「どもです、先輩」

「ん、ダメだぞ後輩ちゃん。朝の挨拶は“おはよう”だ」

「あたしに言う前に自分から直しましょうよ。声をかけてきたのは先輩が先です」

「────おはよう、ございます」

「はい、おはようございます」


足を止め、交互にお辞儀する。

他人行儀のようにも思える畏まったソレは、傍から見れば随分と不思議な光景だったんじゃないかと思う。

や、別に誰か見てる人なんていなかったんだけど。
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