~幕末恋華~

すると急に誰かがあたしの腕を掴み、深い草むらの中へ引っ張り込んだ。

そしてそのまま上から押し倒される。


「きゃあ!ンッ――!」

「しっ。」


誰かの手があたしの口を抑える。

誰!?この人誰っ!?


「あっちかっ?」

「ったく、逃げ足の速い女子じゃ!」


間もなく、そこにあたしを追っていた二人組がやって来た。

けどそのまま二人は此方に気付かず、何処かへ消えてしまった…。


「……行ったようじゃな。…お主、大丈夫かいの?」

「―ぷはあっ。」


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