~幕末恋華~

和式の部屋で、壷やら綺麗な花やらで…見た事がないものばかりだ。


「あらまあ。お目覚めになりましたかえ?」


すると突然、階段から着物を着た綺麗な女の人が現れた。

…誰だろう。


「あの…此処は?」


そう聞くと女の人はにっこりと微笑んだ。


「此処は“寺田屋”どす。坂本はんが、気ぃ失うとるあんさんを此処へ運んできはったんですわ」


…坂本?


「……ア゛――ッ!!」

「っ!?」


そうだっ、桃花かと蛍なんかじゃない…っ。

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