~幕末恋華~

あたしはきっと、夢を見ているんだと…。


「あの、龍馬は?」

「坂本はんなら結構前に出て行かれましたけんど…。」


ふ~ん。お礼言いたかったんだけどなぁ。


「分かりました。色々とありがとうございました。では、あたしはこれで。」


こんな所で呑気に寝てる場合じゃない。

兎に角、早く元の世界に戻れる帰り道を探さないと。


「お身体は大丈夫なんですかえ?」

「はいっ。バッチリ!」

「…ばっち…?」


そして頭を下げて階段を駆け下り、寺田屋の玄関から足を踏み出した。

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