~幕末恋華~
そしていつの間にか、あたしは通りすがる人達に痛い目で見られていた。
いや、あたしからにしたらアンタ達の方がよっぽど変ですけど。
「兎に角急がないと。」
早く帰り道を見つけた方が良いと思った。
何故だか分からないけど、そうしないと、もう二度とこの夢から覚めないような気がしたんだ。
*
「……。」
歩いても歩いても、どうも帰り道らしい所は見つからない。
…そりゃそうか。
第一、見つけると言っても何処にあるのかさえ分からないんだし…。