~幕末恋華~
そして男は再びあの怖い目をして、龍馬に刃先を向ける。
「以蔵君っ!」
「俺はお前を信じていた。なのにお前は…!!」
駄目だ!龍馬が殺られちゃう…っ!!
「駄目ェエ――ッ!!」
あたしは無我夢中で立ち上がり、両腕を広げ、急いで龍馬の前に立った。
「―てめッ!?」
「―莉美さんっ!?」
本当、自分でも一体何をしているのか分からなかった。
ただ、龍馬が斬られるのだと思うと身体が無意識に動いて…。