~幕末恋華~
え…?
日本が…“植民地”にされてしまう…?
「ほじゃき再び土佐に戻った時、わしは脱藩を決意したんじゃ。日本を救うためにのう。」
死と隣合わせに過ぎない…脱藩。
それは一体、何れ程の心構えがいったんだろう…。
「わしには兄さん一人と姉さんが三人おるんじゃが…。」
龍馬はそう言うと腰に提げている、刀が入った鞘(さや)を畳の上に置いた。
「?」
「陸奥守吉行(むつのかみよしゆき)ちゅう名刀じゃ。お栄姉さんが脱藩する時に託してくれたんじゃ。」