夏色のキミ〜sea side


「よーす クラスどうだった?」


欠伸をしながら今来たらしい純に
私達三人は顔を見合わせた。


建斗は小さく頷くと、純の肩に手をかけて残念そうに呟いた


「純…お前だけクラス離れたわ…」


「みんな五組なのに…純だけ一組だった…」


「純君…遊びに行くから気を落とさないでね」


皆それぞれ 名演技だったはずなのに。



「……お前ら、嘘ヘタすぎ」


純にはあっさりお見通しだったようだ。


私は さくらと建斗にすっかり騙されたってのに

何か悔しい…。





「今年一年 また代わり映えしねぇメンバーって事か」


「そうゆうこっちゃなぁ」


「けど、亜紀と一緒で本当に良かったー!」


「私もっ!」


さくらと二人できゃぴきゃぴしていると
学年主任の先生が 新しいクラスへ入れ と促す。


もし四人共クラスが離れていたら それぞれの行く先は違っていた。


だけど私達の向かう先は
こないだと何ら変わらない。



みんな

同じ方向へ足を進めた。



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