夏色のキミ〜sea side
何発もの花火が打ち上がった後
砂浜の方では パチパチと観客達の拍手が起こる。
「すごかった!めちゃくちゃ綺麗っ!」
「やっぱ最後はやばいな」
「うん 本当にすごかったっ迫力満点だし」
「…また 来年も来ような」
………
…え?
来年もって…
どういう意味だろうと目を丸くする私
それを見ていた純は ふと目を逸らし
何かを決心したように 真っ直ぐに私を見つめた。
「…亜紀」
「な なに?」
「あのさ…俺―」
―ドォン…!!
「……」
「……」
またもや花火に遮られた。
純はバツ悪そうに髪の毛をくしゃくしゃしている。
私はどうしていいか分からず 純と花火を交互に目配せした。
と、純が急に立ち上がる。
何だろうと見ていると
純は私の目の前にしゃがみ込んだ。
急に、近くなる距離
純の背後では 打ち上がった花火がパラパラと散っていく。
純は すっと顔を上げ、私と視線がぶつかると
曇りない真っ直ぐな瞳で言った。
「好きだ」