夏色のキミ〜sea side
「純…っ」
既に背中を向けて歩き出そうとしていた純を呼び止める。
純は無言のまま振り向いて 私の言葉だけ待っていた。
ドキドキする胸を押さえ
純と目を合わす。
こんなに緊張したのは 受験発表以来だ。
私は決意を固め、一気に
溢れる想いを伝えた。
「私もっ 純が好きっ!」
好きな人に好きだと伝えるのが こんなに勇気のいる事だったなんて。
私は 純に出会うまで
知らなかったよ…。
「……」
「……」
時間が止まったような沈黙。
驚いたように私を見つめる純。
その視線に堪えきれず 思わず俯く。