夏色のキミ〜sea side


地面に落ちた影が ふと重なる。


不思議に思って顔を上げようとすると



「あー…もう。ふられるかと思った」



耳元で響く声。

しっかりと回された腕。


……純の体温。



突然抱き締められて もう、どうしていいか分からない。



「亜紀 何も言わねぇからまじで焦った…」


「…じゅ、純は…本当に私の事…?」


「そんな恥ずかしい事二回も言わねぇ…。俺 告白なんて初めてしたわ」


「え そ、そうなの?」


抱き合ったまま そんな事を話してる間も
私の心臓はドキドキ高鳴って 純に伝わらないか

心配だった。


なのに

純が帰り際



「今日の亜紀の格好可愛いから、余計緊張した」


なんて言ってきて。



私は一日に何回
純にときめかなきゃいけないのかな


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