夏色のキミ〜sea side
「あつ〜」
車から降りると 真夏の太陽が容赦なく頭上に降り注いだ。
みんな海に入りたい一心で荷物を下げながら 熱い砂浜を踏みしめる。
「この辺でええか」
建斗がそう言ってシートを敷くや否や 他の皆は次々にそこへ荷物と着ていた服を放った。
「ちょっ待てお前らっ」
取り残された建斗を無視し
サンダルを脱ぎ捨て 熱い砂浜を駆け出す。
波打ち際まで来て 足を浸けてみると
ヒンヤリとして気持ちがいい。
涼を求め ゆっくりと体を沈めていくと
汗が一気にひいていく気がした。
水をかけ合ったり 少し深いところまで浮き輪を浮かべて遊んだりして
気が付くと太陽は 真上に上がっていた。
「そろそろ腹減らない?何か買って来ようか」
シートで休憩していた優也が立ち上がり 続いてさくらが 私も行く と、立ち上がった。
「適当に買って来るけど、何かいるものある?」
髪の毛をタオルで拭きながら優也は私と純を交互に目配せする。
「私は何もいらないよ」
「ポカリあったら買って来て」
私の隣でシートに寝そべりながら答える純に
はいはい と子供をあやすみたいに返事する優也
「じゃあ行って来るね」
嬉しそうに手を振るさくらに、いってらっしゃい
と手を振り返す。
優也と一緒でさくらはご機嫌みたい。