夏色のキミ〜sea side
さくらもうまくいくといいなぁ…
二人の姿を見送りながらしみじみとそんな事を思う
あ
でも そうなったら建斗が一人になっちゃうか
建斗は彼女とかつくらないのかな
「ねえ建斗―…って…あれ?」
ふと辺りを見回してみると 建斗の姿が見当たらない。
どこ行ったんだろ
そう思っていると
「トイレ行ったぞ」
眩しさに目を細めながら
ぶっきらぼうに言う純。
「あ、そうなの…」
何を返していいか分からず、それ以上の言葉が続かない。
純…なんか怒ってんのかな
ちょっといつもと違う気がするんだけど…
私 もしかしてなんかした?
悶々と考えながら 浅瀬で遊ぶ小さな子供を見つめていると
「亜紀」
急に名前を呼ばれ
思わず体がビクリとした。
「…なに?」
純をちらりと見てから
恐る恐る訊く。