夏色のキミ〜sea side
「…何でさぁ」
純はそこまで言ってから 一旦口をつぐみ
言いにくそうに後を続けた。
「…何で、ビキニなわけ」
「………え?」
私は思わず
すっとんきょんな声を上げてしまった。
目をぱちぱちしながら純を見つめると
彼は 頭の上に組んでいた手を外して、私に背を向けるように寝返りをうった。
「……もしかして…ヤキモチ?」
「……うるせぇな」
あ、認めた。
「…ヤキモチなんか妬くんだ。可愛い」
「…しばくぞ」
何だか純が子供みたいで
私は思わず笑ってしまった。
「あのなあ…っ」
笑われているのが堪らなかったのか
純は急に起き上がると
私の頬っぺたをぎゅ、と摘んだ。
「調子にのるなよ〜」
「ら、らってー」
純が可愛いんだもん
と続けようとしたところで 建斗が帰って来た。
「こらっなにイチャついてんねんッ」
イチャついてる なんて言葉にされると恥ずかしくて
「イチャついてなんかないよっ 建斗こそ、トイレ長かったね」
と、話の矛先を変える。
「ちゃんと手ぇ洗ったか?」
のっかるように純が訊くと 建斗は
「洗った洗った。最近便秘やったからなぁ〜やっと出てスっとしたわ…って、ちゃうわッ!」
一人でノリツッコミをしていた。