夏色のキミ〜sea side

「……」


「……ねぇ」


「ん?」


と 鼻から声を出す純。



「……なんでお腹撫でてるの?」


「いや…妊娠何ヵ月かなって思って」


すかさず
純に肘鉄を食らわす。



「〜っみぞおちだったぞ…こら」


地面に崩れ込み 上目遣いに私を睨む純。


そんな凄まれたって怖くないもんね

と鼻で笑う私。



「上等じゃねぇか」


純は立ち上がって じりじりと私に詰め寄る。


あ、やばい

本気で怒ってる?



「待って純っ 冗談だってば」


「ふーん?だから?」


純は黒い笑みを浮かべ 私の腕をがっちりと掴む。



「デコピン一回で許してやる」


「えーっやだやだ!」


だって前
純のデコピン受けた建斗が
本気で痛いって騒いでたじゃん。


あの後 建斗のおでこ、ずっと赤かったし…



「目つぶって、歯食いしばれよ」


デコピンの形を作った指が 私のおでこに当てられる。

ここまでくると
もう逃げられない。



「や…優しくしてね」


「色気でごまかすな」


ぱしりと言われ 私は覚悟を決めて、
目をつぶり 歯も食いしばった。


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