夏色のキミ〜sea side
「青島純だよな?」
浜辺に下る階段の方から
図太い男の声が響いた。
振り返ってみると
そこには男が四人、こちらに向かって歩いて来ていた。
うそ、また絡まれる!?
不安になる私をよそに 純までも男達の方へと
自ら歩を進めていた。
純は何歩か前まで来ると ちょうど真後ろに私がくるように立ち止まる。
「悪いけど、今取り込んでんだよ」
低い声で言い放つ純
「別に喧嘩しに来たわけじゃないって〜 ただ声かけに来ただけじゃん」
一番背の高い金髪の男がニヤニヤしながらそう言った。
「なら帰れよ」
「はいはい。分かってますよ〜 あ、そっちはカノジョかなぁ?」
金髪男は首を傾げて私の方をまじまじと見やる
その視線があまりに怖くて私は顔を背けた。
「さっさと行けよ」
苛立ったように純がにじり寄ろうとすると
男は 分かったって
と言いながら背を向けてその場を後にした。
「…悪い。嫌な思いさせたな」
男達の姿が完全に見えなくなってから
純は申し訳なさそうに謝ってきた。
私は慌てて首を横に振る。
「全然大丈夫っ」
「…去年の花火もここで絡まれたな」
ポケットから煙草を取り出し、純は言った。
「ここ、来るのやめた方がいいな」