夏色のキミ〜sea side
「え…ちょっと建斗っ」
何言ってるの そう言おうとした時
ぽん と背中を押された。
建斗を見上げるとウィンクを飛ばしてくる。
……あ
もしかして 気遣ってくれたの…?
教室から出て行く建斗を見送ってから 私は純に視線を戻した。
せっかく建斗が二人にしてくれたんだ
ちゃんと 話をしなきゃ。
「…久しぶりだな」
「あ…うん…」
……じゃなくて!
「純、心配してたんだよ。建斗もさくらも優也もっ」
真剣に訴える私を見上げてから、純は床に視線を落とした。
「……ごめんな」
悲しい 瞳だった。
連絡しなかった事に謝っているだけじゃない
もっと深い何かが 純の瞳に映っていた。
何だろう
この違和感は…
「さっきも言った通り、俺学校辞めるかもしんねぇんだ」
淡々と続ける純。
やだ
待って
何か悪い予感がする。
「亜紀、別れよう」