夏色のキミ〜sea side
「俺がこんなんじゃ、亜紀に心配ばっかりかける」
「……やだ…そんな事ないっ 私、全然大丈夫だよ」
純が私の手首を掴む。
「大丈夫じゃねぇだろ。そんな細い腕して」
「……っ」
何も 言い返せなかった。
純が学校に来なくなってから 私は五キロも
痩せてしまっていた。
純の事が心配で心配で 食事もする気になれず
あまり眠れない日々が続いていた。
だけど…
だからって別れるほどの事じゃないでしょ…?
「…俺のせいだよな…ごめん」
純は私の手をぎゅっと握る。
その手は温かくて優しくて…
やっと純の温もりに触れられたのに
お別れなんてしないよね
「私…別れないよ…せっかく純と会えたのに、そんな事出来るわけない」
「……」
「私ちゃんと食べるし、純がいなくても平気になるから」
「……」
純は俯いたまま 何も言わない。