夏色のキミ〜sea side
新しい教室に入ると
知った顔はいるものの
親しい人は誰一人いなかった。
そりゃそうだろうなあ
一年も二年もさくらと純と建斗とベッタリだったし…
まあ 二年では優也とも仲良くなれたけど
クラスの他の人とは 親しくならなかったもんなあ
あーあ…
何か不安になってきちゃった。
皆も今頃そんな感じなのかな?
あ、
まあ建斗は誰にでも喋りかけるし あの性格だから
すぐに友達も出来るだろうな
「同じクラスだねーっ嬉しいっ」
「私もーっクラス表見てびっくりしたっ」
後ろの方で嬉しそうに話す女子達。
三年ともなると 親しい友達同士は
自然にくっついちゃうよね…
あ〜もしかして私だけ
誰とも仲良くなれなかったらどうしよう!
一人で悶々と考えていると、突然後ろから声をかけられた。
「山瀬さん…だよね」
振り向くと そこには何だか見覚えのある女の子が立っていた。
どこかで見たような…
必死に記憶を辿ってみると
「…あ!あの時のっ」
「あ…思い出してくれた…?あの時は…ごめんね」
彼女は苦笑いして 遠慮がちにそう言った。