夏色のキミ〜sea side



「亜紀ちゃん、チャイム鳴ったよっ」


「待って待ってーっ」



私は急いで教科書を抱え
彩香ちゃんの元へ走って行く。



山下 彩香


始業式で話して以来
何だか一緒に居る。

一度喧嘩を売られた相手なのにこうして一緒にいるなんて なんか変な関係だ。

最初は また何か企んでるんじゃ…
とか思ってたけど

彩香ちゃんを見ていたらそんな心配もないようだった


三年生
初めて出来た友達。


もちろん休み時間にはさくらや建斗、優也と一緒に集まったりしてたけど

夏休みを間近に控えた最近は
そんな事もなくなってきた。


やっぱり皆 クラスの友達と居る事が増えるんだろうな


何だか寂しい気もするが

それが当たり前だったのかもしれない


私達はずっと一緒にいすぎたのかもしれない。





「あっ!ノート忘れた…」


「ええっ今日提出日だよ」


「取ってくるっ先行ってて!」


彩香ちゃんを残して教室に戻っている途中
チャイムが鳴った。


あーあ…遅刻決定…



走るのをやめ、ゆるゆると教室まで歩く。


どっちみち遅刻だし
走っても意味ないよね



のんびりと歩いていると
正面から誰かが歩いて来ていた。



やばい!

先生!?



そう思ってそろそろと顔を上げてみると





………え…?









「……じゅん…?」





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