夏色のキミ〜sea side


体が固まり

胸が
どくんとはね上がった。





純は私に気付き 一瞬目を丸くしたが
すぐに作ったような笑顔を見せた。




「……久しぶり。元気そうだな」



久々に聞く純の大好きな声。


その声を聞くと
今までの思い出が走馬灯のように流れてきた。


純…


ちゃんと学校来てたんだ…




「…授業、始まってんだろ?行かねぇの?」


別れてから口もきいてくれないかもしれないと思ってたのに
純は無視するどころか
私に話しかけてくれている。


その事が嬉しくて嬉しくて目頭が熱くなった。


けど こんなところで泣いちゃいけない。


まだ
純が好きだってバレちゃう




「…純こそ…授業中でしょ?」


「俺は亜紀みたいに成績悪くないから、さぼっても大丈夫なんだよ」


「ちょっと何それっ」





私 普通に話せてる…。



「…学校…来れるようになったんだね」


「ああ…やっと親が医大諦めてくれて」


「そっか…良かった…良かったね」


「さんきゅ」



じゃあもう純は学校辞めなくて済むんだね…?


これからちゃんと学校に来るんだよね…



じゃあ…

もう私達が別れる理由なんてないんじゃないの?



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