夏色のキミ〜sea side
やっぱり来てくれないのかな
純はやっぱり もう私の事なんてどうでもいいのかな。
私達はもう
完全に終わったんだ。
空に打ち上がる花火を見上げながら 染みてくる涙をこらえる。
去年も一昨年も
隣には純が居た。
“亜紀”
いつからだろうか
純が呼ぶ私の名前が好きになったのは。
“好きだ”
あの言葉は嘘じゃなかった。
照れた仕草も 私をからかう悪びれた顔も
夏空みたいな笑顔も
全部全部
大好きだったよ。
純が
私の全てだったよ。
純……
忘れられないよ。
私は純が好き
もう 忘れる事も
嫌いになる事も出来ない。
純……
大好き。
―ドンっ…ドンドン…!
ラストスパートを迎えた花火が
夜空一面に咲き乱れる。
「亜紀っ!」