夏色のキミ〜sea side
思い出
建斗から呼び出されたのは
あの花火大会から
五日後の事だった。
“話あるんやけど…今から出れる?”
いつになく真剣な声で言う建斗に
私はすぐに二つ返事をした。
どうやら遊びの誘いではないらしい。
話って何だろう…?
建斗から私に話したい事なんて思いつかない。
頭に疑問符を浮かべながら 私は建斗が待つ駅前のカフェへ急いだ。
「亜紀、こっちこっち」
窓側のカウンター席から ひらひらと手を振る建斗を見つけ、私はアイスティーを片手にそちらに歩を進めた。
「ごめんな いきなり呼び出して」
「暇だし、全然いいよ」
私が椅子に座って鞄を置いたのを見届けてから
建斗はゆっくり口を開いた。
「…落ち着いて聞いてほしいねん」