夏色のキミ〜sea side
「…何を?」
ガムシロップとミルクを入れながら、建斗をちらりと見やる。
「俺が今から言う事」
「…う…うん」
いつになく真剣な建斗の横顔を見て
私は飲みかけていたアイスティーをテーブルに戻した。
「純の事やねんけどな…」
―どくん…
その名前を聞いて
心臓を鷲掴みにされたみたいになった。
じゅん…
純が どうかしたの?
純に何かあったの?
はやる気持ちを抑え
建斗の言葉を待つ。
「亜紀…去年 あの花火大会あった海で純と花火したやんな?」
「え…?」
花火…?
去年…?
確かに二人であの海に行って花火をした。
だけどそれが何…?
それを肯定して言う
建斗の言いたい事が
良く分からない。
「したけど…どうして?」