夏色のキミ〜sea side
「…そん時知らん奴らに絡まれたん 覚えてる?」
…そういえば
知らない男達に絡まれた。
絡まれたと言っても
声をかけられただけで 喧嘩にはなっていない。
むしろ喧嘩になったのはその前の年だ。
「声はかけてきたけど…」
「そいつら、北高の奴らやってん」
「北高?」
「一年の時純が傷だらけで登校してきたやろ。そん時と同じ奴らや」
そうだ…
そういえば一年の時 純が傷だらけで登校してきた事があった。
それで私が保健室に連れて行って 手当てしたんだ。
あの時純をあんな風にしたのが 海で会ったあいつらだったなんて…
でも、何で建斗は私にそんな話したんだろ…?
「あいつら…中学ん時純が入ってた暴走族のチームに潰された奴らやねん。ほんで純に根に持ってたらしいわ」
建斗は悔しそうに握りこぶしを握りながら
泣きそうな声で
こう言った。
「あの海で会った次の日から…純はあいつらに脅され続けてんねん…」
………え……?
「……脅され…え…なん…何で…?純、何かされたの!?」
建斗の方に身を乗り出すと 落ち着け と宥められた。
私は アイスティーが入ったグラスを手に取り、一口含む。