夏色のキミ〜sea side



一方的に電話を切ったにも関わらず
純は一分もしない内に
姿を現した。



「…いきなり何だよ…びっくりすんだろ。ってか、こんな夜中に出歩いたら危ねぇだろが」


私を見下げて 不服そうに言う純。


私は我慢出来ずに口を開いた。



「危ない目に合ってるのはどっちなの…」


「え?」


何の事だ と首を傾げる純に、私ははっきりと言った。



「建斗から…全部聞いた」


「……」


純は 絶句した。



「…何で…?何でいつも一人で抱え込むの?わたし…っ純がそんな目にあってたなんて全然…っ…」



言葉が、続かなかった。


私はその場にへたり込み
次から次へと出てくる涙を 必死に止めようとする。

けど 無理だった。



純を見たら

涙が止まらない。



私の為に身を削ってまで守ってくれた純。


世界一勝手で


世界一優しい



そんな純が大好きでどうしようもなくて


涙が出てくる…



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