夏色のキミ〜sea side
「……自分がこんなくさい事するなんて思ってなかったわ」
私をぎゅ、と抱き締め返す純の力は 子供を抱き締める母親みたいに優しかった。
「亜紀にしか…こんな事出来ねぇよ」
「う…嬉しい…」
純の胸に顔を埋めたまま 私は既に号泣していた
「…鼻水、つけんなよ」
純の一言に思わず顔を上げる
「つ、つけないもんってゆうか鼻水なんか出てな―」
優しいキス。
純の唇から好きだって伝わるような
温かな口付けだった。
「…愛してる」
そう言った純の瞳には
私だけしか映ってなくて
気持ちが通じ合うって
こんなに幸せな事なんだって思った。
“愛してる”
その言葉に
私はまた大粒の涙を流した。
満点の星と
光り輝く海の中で
私達は
永遠の愛を誓ったみたいだった。