夏色のキミ〜sea side
お父さん
何であんな人と再婚なんてしたの?
あの人、裏では私に酷い事ばかり言ってるんだよ
喉元まで出かけている言葉を私はいつだって飲み込む。
幸せそうなお父さんの
傷付く顔なんて見たくない
その一心で私はあの人と仲良し母子を演じてきた。
―「亜紀、皆で頑張ろうな。お前はお父さんの大切な宝物だから、辛い事があれば何でも言うんだよ」
小さい頃
私の頭を撫でてくれた
大きな手。
本当のお母さんが知らない男の人と出て行ったあの日
幼い私の隣では お兄ちゃんが泣いてた。
……お兄ちゃん
今、どこに居るの……?
私 この家に居るの
すごく辛いよ…。