夏色のキミ〜sea side



「もうすぐクリスマスかあ…亜紀ちゃんはもちろんデートだよね?」


彩香ちゃんに訊かれ
私はデートという言葉に気恥ずかしさを覚え、何だか曖昧な返事をした。


「いいなあ〜指輪まで貰っちゃって…本当ラブラブなんだね」



ラブラブって…

なんか口に出してそう言われると 恥ずかしいな



……でもまあ


あの誕生日から
純と会う回数は確実に増えていた。


土日はもちろん
学校の帰りや休み時間

私達は暇を見つけては
顔を合わせていた。


なんだか前より ぐっと距離が縮まったみたいで
私の何気ない毎日は 純一色に染まっていた。



もちろんクリスマスも会う約束をしている。


冬休みになれば学校で会う事はなくなるけど
きっと今の私達なら 学校がある時と同じように会うんだろう


私はそう、確信していた。


付き合って落ち着くって
こういう意味なんだろうなって思った。





「プレゼント、喜んでくれるといいね」


微笑む彩香ちゃんに 私もにっこり頷いた。



純に渡す初めてのプレゼント。


何をあげればいいのか分からなくて
彩香ちゃんに一緒に選んでもらって買ったシルバーのキーホルダー。


バイクの鍵につけるのにちょうどいいかなって思って 決めたんだ。


ちょっと高かったけど


喜んでくれるといいなあ…。


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